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vol.133 2023.1.18 配信
VOICEjp「TNCが総力をあげてお送りするフリーメールマガジン」
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VOICE jp series World Lifestyle
4年ぶりに開催された世界最大級の食の見本市「SIAL Paris 2022レポート」
パリで開催された食品・飲料総合国際見本市「SIAL Paris 2022」の現地取材レポートをお届けします。1964年から隔年で開催されている食のプロフェッショナルを対象とした見本市で、2022年の今回は4年ぶりの開催となり、10月の5日間、パリ郊外にあるパリ・ノール・ヴィルパント見本市会場に200ヵ国を超える参加者・来場者が集結しました。
出展社数は127ヵ国から約7,000社にも及んだこの見本市、世界最大級ということもあり会場が広大なことでも知られています。 延べ30万人のビジター(うち4分の3がフランス国外からの来場者)が訪れ、大盛況であったと言えます。
4年ぶりに開催された世界最大級の食の見本市「SIAL Paris 2022レポート」 4年ぶりに開催された世界最大級の食の見本市「SIAL Paris 2022レポート」 4年ぶりに開催された世界最大級の食の見本市「SIAL Paris 2022レポート」
SIAL Paris 2022(以下SIAL)ではコロナ禍を経たニューノーマルでの食スタイルの変化が、トレンドにも強く反映されていました。VOICEjpでは、パリ在住のライフスタイル・リサーチャーと、弊社TNCとパートナー会社である5Ps ホールディングス社の編集スタッフが現地で取材した内容を元に、4つのキーワードでお伝えします。
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1 テイスティ・プラントベース
SIALの調査によると、世界ではますます多くの消費者が“動物性”タンパク質の摂取を減らしています。外食、中食に関しては、ヨーロッパの消費者の29%が、ベジタリアンもしくはヴィーガンのメニューがある店舗での食事を好むようになっています。ベジタリアンやヴィーガン食が、意識の高い一部の層だけでなく、一般消費者にとっても魅力的になっている証であり、最大の理由である健康志向の高まりと同時に、社会課題(気候危機、温室効果ガスの削減、倫理、動物福祉)の解決に貢献しているという感覚も、トレンドの背景となっています。
今回のSIALにおいて、急拡大しているプレーヤーやバリエーションはもちろん、驚くべきはその美味しさでした。これまでの課題を克服し、肉好きの人も納得できる味の商品さえ登場していました。
中でも代表的なのが、五感に訴求したインパクトのあるプレゼンテーションを行ったイスラエルのRedefine Meatや、「代替肉ではなく、次世代の肉である」というメッセージを掲げるスペインのHeura Foods、ヨーロッパの代替肉では一番おいしいと評価され、イタリア代替肉市場の46%シェアを誇るUnconventionalなどです。
テイスティ・プラントベース テイスティ・プラントベース
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2 エネルギー&ウェルネス
コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻などで先行きに対する不安が高まるなか、前向きな気持ちになりたい、一息ついてリラックスしたいという願望が増幅しており、これらのニーズに対応した食品・飲料が求められています。
SIALの調査によると、2020年から2022年の期間に「免疫力を高める」製品を購入した消費者は世界で約3分の2にも上りました。東洋医学のホリスティックなアプローチが影響し、心身の健康を食で維持しようとするトレンドがパンデミックで加速されました。メンタルヘルスと消化器系の関係に注目した発酵食品や飲料、種子・根・キノコ・海藻など低カロリーの食材、認知機能の維持改善効果が期待されるアシュワガンダ、冬虫夏草などのアダプトゲンも、依然として注目されています。
機能性食品・飲料について、消費者は過度に加工された商品や科学的な成分を拒否し、できるだけナチュラルな素材に効果を期待しています。SIALの出展商品にも、そんな消費者マインドは反映されていました。特に目立ったのが、コラーゲンやプロテイン、ビタミンなどにフォーカスした飲料です。また、現在ロンドンのスーパーなどではイギリス最大の発酵食品メーカーであるeaten ALIVEのキムチやキムチソースが所狭しと置かれていますが、SIALでは韓国Spoonkeyのフリーズドライ・キムチがイノベーション賞を受賞するなどし、腸活に良いとされるキムチの注目度は欧州を中心にアップしています。
エネルギー&ウェルネス エネルギー&ウェルネス
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3 伝統資源のモダン化
米、豆類、海藻類など、各国・各地域の伝統的な食材をモダンにオシャレに若者向けにアレンジし、グローバル化させた商品が増えています。長い間食べられてきた、馴染みがあって安心して食べられる歴史的に裏打ちされた食品が、既存の姿から現代の生活に合わせた姿になることで、結果として幅広い年代層に注目されています。
例えば、玄米を主原料としたグルテンフリーのチョコレートバーや、Lofreseによる「We Cup」という湯または電子レンジで簡単に栄養満点の食事が完成するカップ麺ならぬ「カップ豆」、 ZALGとMache & Coによる、SIALイノベーション アワードで金賞を受賞したフランス発のキューブ型に成形した海苔「IO‘DÉS」、ナチュラルエナジードリンクとしていま改めて注目を集め多数のブースが見られたマテ茶などが挙げられます。上記のカップ豆に関しては、ひよこ豆やレンズ豆、ムング豆などをそれぞれスパイスなどを使ってインド風や地中海風といった旅感を味わえるようなフレーバーにし、その時の気分に合わせて気軽に楽しめます。調理に手間がかかるイメージのある豆をお湯を入れてたった3分で食べられる商品として、こうした考え方は参考になりそうです。
伝統資源のモダン化 伝統資源のモダン化
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4 お酒の価値変化
お酒やヘルス&ウェルネスのトレンドを背景に急伸したノンアル飲料のカテゴリーでは、コロナ禍により食の価値が見直されたこと、そして、消費者の感覚の多様性拡大などを背景に、SIALの展示商品は、それらを飲むシーンを盛り上げるため、その場の雰囲気を楽しむためのツールとして、のきなみ「本格的なアルコールの姿」をしていることが特徴的でした。
ウイスキーやジンなどのスピリッツの世界観を元に本格的な味わいすら感じさせるノンアル商品はもちろん、ベルギーのVINTENCEのノンアルワインは、ボトルやラベルの形状もワインそのもので、ワイン文化と消費者の多様な価値観、双方を尊重する姿勢が垣間見えました。
その他、創業150年のイタリアの老舗バルサミコ酢メーカーLeonardiによるノンアルのカクテルベースや、スタイリッシュなノンアルビールも多数見られました。
一方、ソフトドリンクのアルコール変換といった商品の展示も多数見られ、世界中を席巻したコンブチャのアルコール版であるハードコンブチャや、紅茶をベースにウォッカと組み合わせてRTDに仕立てたチリ発のローアルコール飲料「miks vodka tea」などもありました。ノンアル飲料の躍進につれて、しょうがや唐辛子など、のど越しを感じるキックのあるスパイス飲料が注目され、会場でも多くのブースが出ていました。
もはやアルコールの有無や度数などよりも、食卓や外出先など飲用シーンにおいて、いかに自分自身や仲間と楽しむか、そのための選択肢の広がりを大いに感じました。
お酒の価値変化 お酒の価値変化
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今回のSIALは、全体的に「サステナブル」を意識した見本市となりました。例えば、入場チケットホルダーは紙製(例年はプラスチック製)で、その中に入場者が予めプリントアウトしてきたバッジを入れる仕組み。ゴミや食品ロスを抑えるため、試食も例年に比べて減り、ゴミの分別も徹底されていました。その他、ここ数年の主要な見本市のやり方に倣い、QRコードによるデータでの資料配布なども実施されていました。
▼TNCでは、今回の特集記事の「詳細版PDFレポート」を用意しております。新型コロナ前までは、食に関わる多くの日本企業が視察に訪れていたこの「SIAL Paris」。現地視察ができなかった企業様にとっては、コンパクトにエッセンスを得られるレポートとなります。会場の情報だけでなく、パリやロンドン市内の小売り現場での撮影画像や情報も盛り込んでいます。
Contents
レポート概要
● SIAL Paris 概要
・SIAL2022 テーマ: OWN THE CHANGE
・SIAL2022 インサイト: 楽しい、ヘルシー、
エシカルがキーワード

・SIAL2022 イノベーションアワード
:受賞商品一覧


● SIAL Paris 2022 視察レポート・店頭に出現している注目商品事例
・SIAL2022 全体総括:ナチュラルの大波
・SIAL2022注目トピック
①とにかくおいしくなったプラントベースの代替食品
②エネルギー&ウェルネス
③伝統資源のモダン化
④お酒の価値の変化
⑤シンプル・イズ・ベスト
・対象国:フランスを中心にイギリス、アメリカ等の売り場を含む

・レポート作成期間:2022年10月~2023年1月

・調査カテゴリ:食・飲料・流通

・レポート形式:PDFファイル

・レポート枚数:約100ページ

・価格:25万円(税抜き)
レポートサンプル
▼今回ご紹介したSIAL Parisのように、世界の展示会をご希望に合わせて取材します。お客様の視点にあわせた取材レポートを作成することも可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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TNCスタッフ便り
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隔離なしで入国できます!の一報から3日後の香港に行きました。すごい混乱の中、何があったかはこの文字数では書き切れないので直近で香港に行かれる方は私宛にメールをください。個別にお知らせします。そんなこんなですが久しぶりの香港はぜんぶ美味しかった。コロナに翻弄されたけれども、美食の国、香港は健在でした。
(村上 千砂 chisa@tenace.co.jp
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年末年始にニューヨークとロンドンを訪ねました。この両都市を好きな理由は、街と人が自由な気風でありながら、熱量がとても高いということ。行き交う人々は多様な民族だらけで国境など感じない、まさに『地球村』。街を闊歩するだけで気持ちがいいし、やる気に溢れてくるのです!2023年もよろしくお願いいたします!
(小祝 誉士夫 koiwai@tenace.co.jp
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元日にダライ・ラマ法王の長寿祈願法要がインド・ダラムサラで行われ、多くの来場者が法王様とお正月を迎えました。いわばチベットの紅白的なイベントで、チベット風のご飯を一緒に食べてお茶を飲んで言葉を聞く、素晴らしい雰囲気の会の様子が動画配信されています。皆さんもぜひ法王様と新年行事をお過ごしください。
(木下 朋  kinoshita@tenace.co.jp
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TNCでは社内勉強会のようなものを定期的に実施していて、先日は「○○の民主化」がテーマでした。規制緩和や副業に関するものであったり、AIの今後等について国内外のトピックスをもとにディスカッションしました。新しい変化や兆しをインプットして、今年もグローバル視点で日本を元気にしていけるようがんばります。
(堀川 僚平 horikawa@tenace.co.jp
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バスケ漫画の金字塔、スラムダンクの映画『THE FIRST SLAM DUNK』をすでに3回も観にいっちゃいました(笑)原作では描かれないストーリーもすばらしいのですが、井上雄彦先生とアニメーションチームがこだわり抜いたあらゆる描写の再現度、臨場感、音楽すべてが圧巻です。歴史的傑作!まだの方はぜひ。
(岸本 悠生  kishimoto@tenace.co.jp
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【麺の話その19】高田馬場のミャンマー料理店「ノングインレイ」で、アッソントゥという麺を食べました。これは麺と米、じゃがいも等をあえたミャンマー版のそばめしのようなもので、エジプトのコシャリを彷彿とさせる組み合わせでうまいです。以前は春雨や青パパイヤも入っていたとか。麺の世界の探求は今年も続けます!
(澤村 建造 sawamura@tenace.co.jp
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本年も宜しくお願い致します。今年の美術館はじめは、府中市美術館・諏訪敦「眼窩裏の火事」。写真のような写実絵画ではなく、深く重いテーマを描いた作品が多く展示されています。アクセスしやすい場所ではないですが、2月26日まで開催されていますので、ぜひ美術館はじめに、「眼窩裏の火事」はいかがでしょうか。
(大川 貴司 ookawa@tenace.co.jp
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2023年話題になる事間違いなしのゲームをご紹介します!今年発売予定のファイナルファンタジーXVIやバイオハザード RE:4といったビッグタイトルは言わずもがな、中でも特に注目なのは、アルファテストながらコアゲーマーを夢中にさせたファンタジーバトロワ『Dark and Darker』。マストチェックです!
(上木原 圭一郎 uekihara@tenace.co.jp
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2023最初の山歩きは太宰府の四王寺山、低山で気軽に登れておススメです。下山後は太宰府天満宮でお参りして、お石茶屋でアツアツの梅ヶ枝餅をいただきました。ちなみに、梅ヶ枝餅の皮は白が定番ですが、太宰府では25日の「天神さまの日」は、よもぎ入りの緑色になります。機会があったら、ぜひ食べてみてください!
(池松 薫 ikematsu@tenace.co.jp
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昨年の鎌倉ブームが冷めやらぬまま今年は早くも徳川家ゆかりの地が賑わっているようです。という事で、世界遺産 日光東照宮に行ってきました!細やかで艶やかな彫刻で彩られた建造物の数々は圧巻で、見入っていると日が暮れてしまいそうです。強力なパワースポットでもあるそうですよ。本年もよろしくお願いします。
(早川 理恵 rie@tenace.co.jp
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中国では新型コロナが猛威を振るい連日トップニュースに。SNSではコロナ陽性(ヤンシン)の発音から『羊=ヤン』と呼ぶのだそう。さらに、有名な武侠小説の主人公・楊過(ヤングゥオ)と父・楊康(ヤンカン)の「楊」を「陽性」に見立て、『陽性になった人』『陽性から回復した人』の当て字に。センスいい!
(武藤 康尊  muto@tenace.co.jp
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